12月22日、今年最後のワークショップが行われました。
本日は奄美大島の主要産業のひとつで歴史の一つでもある「黒糖」について学びます。
1609年に奄美大島は薩摩藩の管轄となりました。
藩財政の立て直しのため、奄美群島はサトウキビ栽培のプランテーションとなっていきます。薩摩藩が明治維新を主導した役割は、広く知られる所ですが、その活躍を支えた財政は黒糖が深く関わっています。
【大山自然農園】
本日は、放浪館を飛び出して、奄美大島北部の笠利町平集落(たいらしゅうらく)へやってきました。
ここは大山自然農園というところで、大山さんご家族・ご親戚だけでサトウキビ作りから黒糖を作っています。
【栄正行アニ登場】
ご親戚の一人である栄正行さんに工程などを教えていただきます。
-‐サトウキビを絞って汁を煮詰める--文字にすると簡単なことですが
実際にどんなことをするのかを教えてくださいました。
そして、、、
小屋の中を覗いてみると、もうすでに、作業は始まっていました!
大きなお風呂のような四角い釜の中には、キビの搾り汁がいっぱいに入っていました。
そして、前のほうには赤々と火が燃えています。
本当に映画のセットのような味わいのある作業小屋に入らせてもらって
わぁああ!!子供たちの歓声が上がります。
【ウギハギ!】
では、1つ目の作業の始まりです。
キビタキ小屋の裏にはサトウキビ畑があります。
ここからサトウキビを刈って、外側の皮をはぎます。
これをウギハギとよびます。
子供たちは1本ずつサトウキビを刈り取って渡してもらえました。
それぞれ一生懸命皮を剝いています。
現在のサトウキビ農家はハーベスタという、大きな機械で一気に刈ります。
昔はこれを今日のように一本ずつ手で刈っていました。
【搾り機に入れる!】
ウギハギが終わった子供たちは、ひとりずつ搾り機に通していきます。
電動でぐるぐると回るローラーに慎重にサトウキビを刺していきます。
あっという間に、搾り取られてカスだけが残ります。
搾り汁は、穴を通って、1か所に集められています。
カスはバガスといって、搾り汁を炊く時に使われます。
昔は、これをサタグルマ(砂糖車)という道具を牛に引かせて搾っていました。
力がいる作業なんですね。
【ちょっと早いがお昼ごはん!】
黒糖づくりはタイミングが大事!
ちょっと、作業が待ちになりましたので、めずらしく早弁にします!
小雨の降る寒い日でしたがあちこちでいい顔でほおばっています。
【黒糖を焚く!!】
午前中にみんなが搾った汁を、四角い釜にバケツで入れていきます。
この釜は中で仕切られていて、1次釜が火元の近くです。
ここで強火で煮詰めた後、火元から遠い2次釜に移されます。
最後に黒糖を固まらせるために石灰を入れて仕上げています。
リトマス紙でちゃんとpH値を測っています!
黒糖を煮詰めるいい匂いが小屋いっぱいにひろがっています。あ~良い匂い。
この作業は、火を使いますし、タイミングがかなり重要なので
子供たちは注意深く見守っています。
【切り分ける!】
固まってきたら、すかさず、切る台に移動します。
ここには、熟練のお姉さま方たちがスタンバイしていて、手際よく切り分けていきます。
見てるだけで楽しい手さばきです。
子供たちもそろそろ、食べてみたいという気持ちが抑えきれなくなってきました。
出来立てを少しずつ味見させてもらいました。
私たちは奄美大島に住んでいるので、黒糖を食べる機会は多いのですが
それでも心からおいしい~~と感じる味でした。
島外の人には驚かれるのですが、島では黒糖をお茶請けとしてそのまま食べたりもします。
白糖と違って、のどにつっかえる甘さではなく、ほっとする甘さなんです。
ミネラル豊富で、体調が悪い時に食べますね。
【御礼の作業】
黒糖づくりはサトウキビの収穫とともに一気にやってしまわないといけない作業なので1日でも無駄にはできません。大切なその一日を志塾のために開放してくださいました。
なので、その御礼に農園内の草抜きをしました。
みんなしっかりと作業しました。
抜いた草は飼われているヤギさんたちへプレゼント!
嬉しそうですね。
作業の後は、出来立ての黒糖に水飴を混ぜたものをまた頂いて元気回復!
【大山幸良オジ登場!】
ここで、御大、幸良(こうりょう)オジがお越しになりました。
今年で9?才。ずっと島で黒糖を作り続けて来られた方です。
戦中・戦後の物がない時代のお話など、みんなでお話をしっかり伺いました。
親族の皆さんもじっと聞いておられます。
この大山自然農園の敷地内には
防空壕跡や、水神様もあり鶏小屋・ヤギ小屋もあります。
特に鶏は"てりゃ鶏(平集落の鶏)"と言われ地鶏として大切に育てられています。
農園の皆様、大変・大変お世話になりました!
ありがっさまりょうた。
【ラ・フォンテさんへ移動】
最後は、農園から出て笠利町赤尾木にあるジェラート屋「ラフォンテ」さんにやってきました。
このお店では、島で採れた果物を使ってジェラートを作っていて観光の方にも大人気です。
そして、みんなが先ほどまでいた大山自然農園さんの黒糖を使ったジェラートも販売されています。
店主の泉さんがお話してくれました。
泉さんは元々農園を持っておられて、そこで形が悪いなどで廃棄になってしまう果物を何とかできないだろうかと思い、このお店ができたそうです。島バナナやパッションフルーツ、たんかんなど島ならではの果物を使ったジェラートがたくさん並んでいます。
さて、
今年の締めくくりに大山黒糖ジェラートを味わってみました!
寒い中ではありましたが、とっても美味しかったですね。
畑にあるサトウキビからこんなにおしゃれなジェラートが出来上がることに驚いた子供たち。昔々、サトウキビをたくさん作っていたご先祖様たちもびっくりしたでしょうね。
今日は様々な島の場所を見て学ぶことができました。
ありがっさまりょうた。
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